コップ
2003年9月4日水の入ったコップを持っていた
コップも水も澄んだ輝きを放っていた
時が経ち
水はどんどん蒸発してしまう
そればかりではなく
コップが欠けることや
誰かに盗まれることを恐れる
いつしか耐えきれず
不純物だらけの氷を投げ入れる
そして氷と水は溶け合い
少しずつ濁る
氷を投げ入れるたび
コップの水かさは増し
使える水の量は増えるのだが
濁りは元には戻らない
そのうち他人のコップにまで
とばっちりを及ぼしたり
周りの心配をよそに
蒸発していくままの自分に
酔いしれたりと
無遠慮になっていく
くりかえしくりかえし
尽き果てるまで
ろ過装置にかけるという手もあるが
それには
ひっくりかえさなくてはいけない
丈夫なコップと
いい味わいのある水に
なればよいのでしょうか
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